【七人の探偵】 通称=ぎん子

みちのく探偵

2010年06月17日 17:55


『みちのく探偵物語』

(この物語は現役探偵が書き下ろしたフィクション!です。みちのく仙台から全国を舞台に様々な人間模様が繰り広げられる…かも知れない(^^ゞ)


【探偵=レイコ】


調査スタッフとして勤めるレイコは、元生保レディだけあって聞き込みの調査能力に優れ、所長のヒロも聞き込み術には自信があったが、やはり女性にしか入り込めない環境においては一歩譲るものがあった。

レイコは『みちのく探偵事務所』に、夫の浮気相談に訪れたことがキッカケで調査員として働くことになった。

調査は依頼しなかったものの、所長ヒロのアドバイスをもとに、夫の携帯に残されたメールや発着信履歴を手掛かりに不倫相手を突き止めた。

探偵に調査依頼することなく自分で状況証拠を収集し、不倫相手からも慰謝料を取って離婚したと言うからすご〜い(^O^)

これにはヒロも、
「ちょっとヒントを与えたら自分で調べちゃうんだもんなぁ」と、酒の席でたまに愚痴をこぼすこともあるが、当時の経済状態ではレイコが調査の依頼人になるとはヒロも考えなかった。

少しポッチャリ体型で、スタッフの誰かが『由美かおる』に似てるよね、と言ったことから本人もその気になり、水戸黄門の『かげろうお銀』にちなみ、いつの間にか『ぎん子』と呼ばれるようになった。

所長のヒロと調査アシスタント兼相談員兼秘書役の多恵子しか知らない話しだが…

事務所で以前、お祭りの金魚すくいで救ってきた二匹の金魚を飼っていたことがある。

その金魚の名前を、『金子(キンコ)』と『銀子(ギンコ)』と名づけていた。

レイコが来た時には、二匹とも病気で死んでいた。先に『キンコ』が逝ってしまって、ヒロは『ギンコ』を可愛がるあまり餌をあげ過ぎたのか、丸々太った『ギンコ』を思い出し、レイコ(ぎん子)に見とれていたりすると良く勘違いされることもある(・_・、)

そんなレイコにも不詳な部分が多く、まずは年齢…。

新入りのスタッフが間違って尋ねたりすると、ヌンチャク並に威力があろうかというケータイをストラップで振り回す!

これが当たると痛いどころではなく、“こぶ”が出来るくらいならまだ軽症なほう…。

所長のヒロはスタッフの履歴書を管理しているので当然レイコの年齢も分かっているが、他人の嫌がることをあまり口に出す性分ではない。

レイコは、「妹のため…」
と言って護身術を身に付けたと言うが、ケータイ一つで簡単にストーカーも撃退できそうだが(^-^;。

その妹にヒロは一度だけ会ったことがある。
秘書役の多恵子も詳しい話しは聞かされていない。


レイコは、今日も3件の聞き込み案件を抱え、デスクの上で手際よくマルタイ(調査対象者)の情報を整理していた…。

「よお〜し! 今日は、難病で苦しむ子どもの母親に化けるか〜!」
と、両手を突き上げた。


またそれかよ…
みんなぺらぺら話してくれるんだろうな(^-^;

ヒロが呟いた…。

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